クズ箱の方便、されど明日はない

青春時代、
僕は恋愛をしなかった。


もちろん恋は何度かした。
ずっと自分の席からその子を眺めていたいくらい。
その子と教室で目があったりすると勝手に嬉しくなったりもした。
でも結果的に恋愛にまでは発展してない。


好きな人もいたし、好きになってくれる子も数人いた。
ただ好きになってくれる子は
僕の好きな子ではなかった。

だからうやむやにして、気づかないフリをしたりして、
何もなかったことにしてしまった。
あっけなく簡単に傷つけてしまった。

僕を好きになってくれる子なんて、
今後現れるのか危ういくらい非常に尊い存在なはずなのに。
そしてもちろん俺が好きな子は、当然のごとく一切振り向いてくれることなく、
そのまま俺の青春は終了した。


まともな恋をしてこなかった。
若いころの経験値ゼロ、まるで最初に戦うスライム。
与えられるダメージは1。
2発くらい攻撃されたらすぐ死ぬ弱小。
スライムくらい弱小な俺。

馬鹿正直すぎる癖に消極的でシャイ。
いつまでたっても自分に自信がなかったし、
いつまでたっても世界は圧倒的に僕の敵だった。
面白くない人間だった。
変にいちいちクソ真面目。
だったのかもしれないしただのお堅い人間と思われ続けて生きてた。
根暗な反抗期。

その当時のメンタルの反動で、今の自分は圧倒的におかしいと思う。
正解不正解では判断できない、
常識とか通用しない、
論点の着地点なんて存在しない「好き」という純粋な気持ちは
一体どこに行ってしまったのだろ。

どっかに飛んで行ったんか。
おそらく俺んちの裏にあった田んぼの用水路の奥底。
もしくは小島商店の賞味期限切れた梅干しのお菓子の種の中か。

酒でも飲んで忘れよう。
黄色っぽい映画でも観て心の底から笑おう。
呆気なく終わろう、また明日から生きのばそう。

青春時代に大事な感情を置いてきたことを自分自身に詫びよう。
いい加減気づこう。
ケツ毛のツヤの光のごとく輝く明るい未来はまるでなかった。
無意識に引きずるのはやめよう。

明日も晴れる、憂さ晴らし。憂鬱、喪失感。
ミステリー小説のあとがきみたいな性格。
ひねくれていて見透かしていて、でも本質は何にも分かっちゃいない。

作者の気持ちが作者以外に理解できてたまるか。
今日も昔の自分に「どあほ」と叫んでハイになってサヨナラだバイバイ。

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