ホームタウン
対バンしたバンドに、 自分と同郷の人が居るととても嬉しい気持ちになる。 ローカルトークが出来たり、 地元あるあるが通じたりするのも嬉しいけど、一番大きいのは 「クソ田舎での生活を抜け出して今ステージでもがいている」 というまるで本当の意味での戦友と話しているような感情になるから。 もちろん田舎にだってイイところはあるけど、 すごくフツフツとした生活を過ごしてきた人にしか分からない なんとも言えない煮え切らない感情を知っているからだ。 「地元を捨てた」 僕には地元、というかホームタウンがたくさんある。 高校まで18年間育った青森。 大学生活を過ごし音楽にドップリ浸かった室蘭。 そして今の自分を形成した札幌。 「地元を捨てた」って言葉にすると凄く簡単で 「マイナス」「ネガティブ」な要素しか含んでいないように感じる。 けど僕は、狭い世界のぬるい環境から、自ら厳しい環境に体勢を置き、強者揃いの社会にもまれ、 そして地元に帰るたびに少しずつ強くなっていく姿を見せ続けていきたいと本心で思う。 この街で育ったことを誇りに思いながら。 そんな気持ち、「誰かに分かってたまるか」って思うけど。 帰る場所があること、 凄く大事だとこの歳になって気付いた、気付かされた。 大人って難しいや。