しょっぱい青春の日々はもう戻らない

GOING STEADYというバンドに出会ったのは僕が中学2年、14歳の夏。


「青春パンクやろう!日本語パンクやろう!」
って友達が文化祭の有志バンドに誘ってくれたのがきっかけだ。


友達はすぐに僕にCDを貸してくれた。

真っ赤なバックに黒い人影が載ったCDと

黒くてなんか鮮やかな花みたいなのが描かれたCDと

2枚貸してくれた。
僕は借りたCDをすぐにMDに取り込み、
パナソニックのMDプレイヤーで狂ったようにどこでもいつでも何度でも聴いていた。


「BOYS&GIRLS」「さくらの唄」。
最初は何が何だかわからずに聴いてた。
けどいろいろな感情が込み上げてくる荒々しさ、
楽器はヘッタクソだけどなんだか引き込まれるキラキラとした美しさ、
メロディーのキャッチーさ、ストレートな言葉たち。
気づいたら虜になっていたし、
気づいたら「DON'T TRUST OVER THIRTY」の意味を辞書で調べていた。


アルバムのスコアブックを買うと、
中にはTAB譜の他にメンバーのインタビューも書かれていた。
彼らが若い時や当時に聴いていた洋楽について語っていた。
グリーンデイもバズコックスもスティッフリトルフィンガーズも
ニルヴァーナもクラッシュも知ったのはゴイステがきっかけだった。
CDショップなんて近所にはない田舎のど真ん中。
チャリで2時間かけてHMVに行き、やっすい海外盤を買い漁った。

「童貞ソー・ヤング」のCDを借り、
「若者たち」のCDを買った。

文化祭でこの曲やって校長先生に怒られた


当時の僕には良さが3%しか分からなかった気がする


スカパーのスペースシャワーTVで流れる「若者たち」のMV、
当時の僕には本当に衝撃だった。
「こんな世界が都会にはあるのか」「ライブってこんなに凄いのか」って、
何かをむさぼるように吐き出す姿に憧れた。




そして間もなく、
GOING STEADYは解散した。中2の冬のことだった。

“どうして僕は生まれたの?どうして僕は死んじゃうの?”

「DON'T TRUST OVER THIRTY」の冒頭の歌詞が僕の頭によぎった。
ネットも普及していない不便な世の中だったはずなのに、
彼らの解散はすぐに僕の耳に届いた。
と同時に僕のイヤホンから流れ続ける
峯田の声が遠くに消えて離れていくようなそんな気持ちになった。

ライブが見たかったのに解散してしまった。
音源を通して聴こえてくる僕のヒーローたちが一瞬で消えた。
ライブが見たかった。



バンドやってるやつはみんな見た方がいい


「君と僕とBEEのBEAT戦争」というDVDが発売し、
ディスクが擦り切れるほど見た。
登場すると同時に中島みゆきのファイト!を歌う。
もみくちゃになって汗だらだらたらしながら拳を突き上げる若者たち男女。
女もこんなにグシャグシャになりながら、
それでも峯田に合わせて男に混ざって歌う、その光景が美しかった。

そしてラストシングルである「青春時代」が発売された。

これについてきた通販用紙でめっちゃTシャツ買ったな。


“僕は何かやらかしてみたい。そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう。”

俺の青春も終わったような、そんな気がした。
間違いなく確実に、ただひたすら俺の青春だった。
17年後にベースの安孫子真哉さんと
1対1で話すことになるとはこの時の俺は知る由もない。

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