辞めるも続けるも自由だ。音楽なんてそんなものなのかもしれない。

この歳になると周りの友達はみんな音楽をやめていく。

昔あんなにギラギラした目で
「負けへん!!!!!」ってやってた奴ほど、
1抜けたっつって音楽から身を引く。
もしくはスタンス、音楽との向き合い方を変えていった。

いや、もしかしたらスタンスが変わったのは
周りじゃなくて自分なのかもしれない。
上手く進んだか、それとも上手くいかなかったか。
そもそも上手くいくって何をもってだ。知らん。

続けるほど好きじゃなかったのか。
いや、本当は好きだけど好きだけじゃ続けられない生活環境の変化があったのか。
恋人ができたとか、結婚したとか、
音楽より夢中になれるものをみつけたとか、
メンバーが脱けたとか。

辞めるも続けるも自由だ。音楽なんてそんなものなのかもしれない。


僕は大学に入学して、スルスルと軽音楽部に入部した。
4月の時点では20人近くいた同期が1年後には3人になっていた。
飲み会の多いサークルだった。
みんな先輩との会話の中でたらふく酒を飲まされたりしてさ。
それが理由で授業を寝過ごしたりして。
大学の単位を落とすことを危惧して、早い段階で見切りをつけたのかもしれない。

それもまた人生。先輩や同期との関係とか。面倒に感じたのかもしれないし。
辞めるも続けるも自由だ。音楽なんてそんなものなのかもしれない。


ただ僕は先輩とバンドを続けること、部を続けることを決意した。
というか辞める気が全くなかった。

(一回辞めそうになったことがあって、いま振り返ってもめっちゃオモロイ話だからこの話はいつか直接みんなに話したい)


結果的に僕は5年も軽音を続け、
そして5年で大学を中退した。
これに関しては俺は本当に馬鹿だった。
せっかく努力して大学に入学したのに、一留した上に中退。
なんて親不幸な人間だ。本当に恥ずべきこと、反省してもしきれない人生の汚点。



でも、ただ、
この5年で得たものも僕にとっては本当に大きな財産だ。

たくさんの友人・先輩が出来た。
音楽のスキルをとことん磨いた。
磨いたっつってもべら棒に上手くなったわけでは全然なくて。
ただ基礎の基礎の部分は、ベース弾きまくって身に着けた。

幸いにも同期で最後まで残ったヤツ(俗にいう戦友www)は
僕と同じベーシストだった。

バチバチに競い合ったわけではないけど、
部内の審査ライブとかではなんとなく意識しあうし刺激もしあった。
なんかプレースタイルも真逆とまではいかないけど、
お互いの長所短所を尊重しあえる関係だったと思う。



そして技術的な面で成長できたことはあるけど、
どっちかというとスキル面よりスピリットというか、
熱量というか、そういう根柢の部分を鍛えられた気がする。
自分のやっていることに自信を持ってぶつかれる熱さが、このサークルにはあった。

たかがサークル、されどサークル。

でも、腹割って音楽が好きな先輩と
夜な夜な語り合ったあの時間は
何にも代えがたい財産であることに変わりはない。


辞めるも続けるも自由だ。音楽なんてそんなものなのかもしれない。
だけど僕は札幌に引っ越し、音楽を1からやり直す。
バンド名(Hello Micro Computerというバンド名)はそのまま残し。
メンバーは1から集めた。
5年で手に入れた人脈を活かして、
たくさんの方の協力のもと僕はバンドを始めることができた。

そして、今も僕はマイアミパーティというバンドでベースを弾いてる。
辞めるも続けるも自由だ。音楽なんてそんなものなのかもしれない。
でも僕にとって音楽は“そんなもの”で片づけられるものではなくなった。

みんな辞めてった。
特に続ける決定的な理由はなかった。
ただただベースが好きだった。ライブが好きだった。仲間が好きだった。
音楽を肴に飲む酒の美味さが忘れられなかった。


周りは俺なんかより才能ある若い奴らが増えた。
いまだに散々引きずっているものがある。
辞めるも続けるも自由だけど、俺はもう少し続けてみようと思うよ。

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