moment

北海道・札幌を代表する音楽イベント「MOMENT KINGDOM」が先日開催された。

このイベントは5年前に、
「Cell The Rough Butch」という先輩バンドが始めたサーキットイベント。
例年は札幌市の中心街であるすすきの周辺の複数ライブハウスを貸し切って開催しているサーキットイベントなのだが、今年は5周年記念ということで「札幌芸術の森」で開催された。

どでかい野外ステージで僕らは演奏させていただいた。
天候は生憎の雨だったけど、本当に気持ちがよかった。


僕はこのイベントの立ち上げからデザイン担当を1人で務めていた。
ブッチの登さんはブッチ3ピース時代から知っていたけど、
きちんと話したのは確か僕が前に組んでいた
「Hello Micro Computer」というバンドを組んでからだっけかね。

僕が大学を辞め札幌に出てきてデザイン関係のお仕事を探していた時、登さんは進んで僕にポスターやフライヤー、CDジャケットやブッチのバンドロゴ、グッズTシャツ、
さらにはイベントのナレーションまで(笑)、数多くの依頼をくれた。

そんな中で突然登さんに呼び出された。
たどり着いた居酒屋で口に出した話が「バンド発信型のサーキットイベントがやりたい」だった。
5年前はそこまで「サーキットフェス」は北海道に根付いてはいなかった。
けど確かにイベンターや企業主体のサーキットはいくつか札幌にもあった。

ただ「バンド」「個人」が主体での大規模イベントは僕も聞いたことがなかった。
そしてその話を聞いた瞬間の僕の最初の感情は「ワクワクする」だった。

「バンド主体のイベントだからできること」を登さんは語ってくれた。
「札幌のバンドファンに根付いている『取り置き』制度をサーキットでもやりたい」
「狸小路(札幌の中心商店街)が活気づくイベントにしたい」
「撮影チームを組んでいつか写真展や写真集を出したい」
「参加したバンドマンが一同に介せる打ち上げをやりたい」

そして僕が一番印象に残っている一言、それは
「出演バンドが1年後、また強くなって帰ってくる場所にしたい」だった。

毎年そうなのだが今年も「MOMENT KINGDOM」開催にあたって登さんに呼び出され、
「今年もMOMENTのデザインを担当してほしい」
という打診だった。
打診された時点で4月にマイアミがアルバムをリリースすることは決まっていて、

絶対にバタバタするだろうし、
今回が始めてサーキット規模ではなく「フェス規模」での開催となることから
作業量が多くなることは始まる前から目に見えていた。

それでも僕は5年前に登さんが目をキラキラさせながら語った夢を
実現させるためにどうしてもやりきりたかった、全うしたかった。

デザインに関しては正直今年はたくさんの方のお力をお借りした。
非常に不甲斐なかった。なかなか現実は甘くなかった。
ただ、僕はデザインだけではなくバンド演奏でも恩を返したかった。

マイアミパーティ出演の時、
野外ステージのフロアにはたくさんの方が集まってくれた。
本当に嬉しかった。
昨年から1年、いや5年前から5年経って強くなった僕をそのステージに刻みたかったから。

雨の札幌芸術の森。
あの舞台の舞台裏。
僕らにしか分からないバックグラウンド。

そしてMOMENT KINGDOMが終了しまた新たな1年が始まる。
僕に立ち止まっている暇なんてないや。
デザイン担当でありながら、バンドマンである僕が
また強くなってMOMENTFESのステージに戻ってくることを登さんに、ブッチに誓うんだ。

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